2016年6月17日金曜日

58. 赤い実の魔力

今日も常連さん4人組が集まりました。
ユイナちゃんの車が到着すると皆が車の周りに集まり、ユイナちゃんを出待ち。3人の背中からワクワクが伝わってきます。



近所でアイガモ農法で田んぼを作っているおじちゃんから、アイガモのヒナが来たことを聞いていたので、今日はそのヒナに 会いにお散歩にでかけました。

通りかかった梅の古木の下には、前日の強風で落ちた梅の実がゴロゴロ。



たまらず食べちゃう子も。




90歳を超えたおばあちゃんが草刈りの途中で休憩していました。長閑な風景です。


ここまでずーーーっと おんぶだったツグミちゃんもやっと背中から降りてヒナをしげしげ見つめていました。8ヶ月の赤ちゃんを抱っこしながら背中に3歳児。お母さん、よく頑張りました~。


しばらくして、道の先を黒ネコがお散歩しているのを発見!
「ネコが歩いてたよー」
と子ども達に言うと、みんな何も言わずにタターッと走り出しました!


後ろから見ていると、子ども達の姿が1軒の家の前で見えなくなりました。私も後からついていくと、みんなが夢中になっているのは黒ネコではなく、ちっちゃなちっちゃなユズ。どうやら強風で落ちてしまったようです。





子ども達は喜怒哀楽を全身で表しますが、ワクワクする気持ちが溢れている時はとにかく走る、走る、走る!そして大人に自慢げにユズの実を見せていました。



ユズの実の後はネコに釘付け。ネコも逃げることなく、しばらくお互いに見つめ合っていました。




次に見つけたのはノイチゴと思われる赤い実。まさに宝石のような赤い粒がキラキラしていていかにも魅力的☆






クウヤ君は、目を離すとすぐに田んぼの水管理をしちゃうのでここは要注意です。きっと家の田んぼで親がやる様子を見ているんだね。


お弁当を食べた場所で手遊びをしたり、石集めをしたり。







しばらくして道向かいに歩いていったみんな。すぐにユイナちゃんの泣き声が聞こえてきました。
どうやら、ユイナちゃんが1個だけ落ちていたスモモを拾ったものの、クウヤ君に取られてしまった様子。泣きじゃくるユイナちゃんはどうにもこうにも気持ちが切り替えられず、お母さんに抱えられてその場を離れていきました。
クウヤ君はそのスモモをガブリ!種まできれいにしゃぶっていました。

よくある光景といえばそうなのですが、今までに何度も同じようなことがあったので、今日はクウヤ君に聞いてみました。
「どうしてユイナちゃんが泣いてると思う?」
「・・・」
何度か聞いているうちに
「クウちゃんのだもん・・・」
と。
「はじめに拾ったのはユイナちゃんだったよね?それをクウちゃんが取ったんじゃない?」
「・・・」
「ユイナちゃんも食べたくて拾ったんじゃないかな?」
「・・・」
「ユイナちゃんが泣いてる目の前でクウちゃんだけが食べて、それでクウちゃんはいいの?」
「うん」

クウヤ君は3歳。まだまだ自分の欲求に正直な年齢なのでしょう。言うべきか言わざるべきか悩みましたが、クウヤ君の”スモモを食べたい!”という気持ちも尊重したいけど、だとしたらユイナちゃんの気持ちも同じように尊重したい大事なもの。だから、それをクウヤ君に伝えたくて聞いてみました。
ただそれ以上何も言えず、クウヤ君の様子を見ていることしかできませんでしたが、どうやらユイナちゃんのことが気になるらしく、ユイナちゃんの近くに言ってじっと様子を窺っていました。

ユイナちゃんはそのままお母さんに抱っこされて一足先に駐車場へ戻り、その後を追うようにクウヤ君も戻っていきました。



実というのはなんでも、子ども達を引きつける魅力に溢れているようです。


クウヤ君に少し遅れて私が駐車場へ着くと、クウヤ君がユイナちゃんに謝ろうとしているところでした。
意を決した表情でクウヤ君が
「ごめんね!」
とユイナちゃんに言うと
「・・・え!?」
とユイナちゃん。もう一度クウヤ君が
「ごめんね!」
と言いましたが、
「何のこと~?」
と戸惑うユイナちゃん。
残念!ちょっと時差があったようです。

ユイナちゃんはまだ少し嗚咽を引きずっていてヒクヒクしていましたが、車に乗るまでクウヤ君と草を摘んだりして過ごしていました。

気持ちを切り替えられたのは良かったのですが、取られてしまった時のユイナちゃんの悲しい気持ち、そしてクウヤ君の”やっっちゃった・・・”という思いからの「ごめん」の一言、それらはどこへいったのだろうと、ついつい大人は考えてしまいます。
大人は言葉で相手を慮り、自分の思いを伝え、そして相手からの反応でまた言葉を紡ぎます。
子どもはまだ言葉が充分に使えない分、距離感や表情、ちょっとした仕草など五感を使って子どもなりに相手を思い、気持ちを伝えているのでしょうか。
だから、大人が気がつかないうちに仲直りしている、ということがよくあるのかなぁ、と感じました。

つぐづく、見守ることは難しいと感じた出来事でした~。



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