2016年5月27日金曜日

51. 藪こぎでちょっと冒険

今日は初参加の兄弟が2組。
「初めましての子がいるから、自己紹介しようかー」
というと、半年前にはみんなの前では一言も話せなかったユカリちゃんがスッと自己紹介。成長を感じる1コマでした。



集合場所に1輪だけ咲いていたピンクの花を気に入っていたユイナちゃん。その花をいつのまにかツグミちゃんが摘み、クウヤ君の手に渡りました。それを見たユイナちゃんはとても悲しかったらしく、
「ピンクのお花~!!」
と久しぶりの大泣き。みんなが歩き出してもお母さんにしがみついて大泣き。そして道路につっぷして大泣き。今日はなかなか気持ちの切り替えができず泣き止みません。
ツグミちゃんとクウヤ君に泣いているわけを話しましたが、既にピンクの花はしおれてシナシナ・・・。クウヤ君もツグミちゃんも代わりに他の花を渡しますが、ますますユイナちゃんは悲しむばかりでした。 


そうこうしているうちに、5歳のシュウゴ君と3歳のクウヤ君とユカリちゃんは道が見えないほど竹が生えている山道に入っていきました。あまりの茂りように立ち往生しましたが、足元に小さな草のトンネルを見つけると、冒険心をくすぐられてトンネルをくぐってその先へ。奥まで行けることがわかると、他の子もついてきて、みんなで藪こぎ散歩をしました。








ユイナちゃんが
「ピンクのお花、ピンクのお花・・・」
とうわ言のように言いながら、そして嗚咽しながら歩いていると、初参加の子がピンクの花を見つけてくれました。
それは集合場所に咲いていた花ではなくサクラソウでしたが、ユイナちゃんはこの際ピンクなら何でも、といった様子でスーっと引き寄せられるように花の所へ行き、黙々とビニール袋に摘んでいました。
それを見たユカリちゃんも隣で摘み始めましたが、その大きめのビニール袋を花でいっぱいにしてあげようと思ったらしく、根元の方からブチブチっと切っては袋へ入れるので、花というよりは緑の茎がほとんど。しかもユイナちゃんはまた取られるのを警戒してユカリちゃんに袋を触らせません。そこを
「ユカリが入れてあげるんだから~」
と、半ば強引に袋に詰めようとするユカリちゃん。
私が
「ここに花が咲いていると、この道をお散歩するおばあちゃん達も楽しめるから残しておこうか」
と声をかけましたが、2人の静かな攻防戦はその後も15分ほど続きました。


草についたサナギ。みんな興味津々だったから、これから毎回観察していこう。 




今日はイマイチ調子の出ないツグミちゃん。後からゆっくり歩いてきて、お弁当を食べようとしているみんなと合流。




お弁当を食べ終わった途端、さっきまでの疲れた顔はどこへやら。燃料を満タンにした常連4人組は揃って山道を駆け下り、遊びに出かけました。
私も急いでついていき、後ろの方で見ていると・・・


駆け下りた山道をまた上り、また駆け下り・・・


道路の前でピシッと止まって、みんなで道路を渡る練習をしている様子。




そして食後というのに、また山道を駆け上っていきました。
案の定、クウヤ君jはお腹が痛くなり、お母さんに来てもらって林の中で用を足していました。

いつも午前中はあまり調子が出ず、お弁当を食べるとエンジン全開になるという食いしん坊の集まり。食べて元気になるならお弁当を食べる時間はあまりこだわらず、子ども達で相談して食べたい時に食べるというスタイルにしたいなぁ、と考えています。それで不都合が出ればその時にまたみんなで相談してね♪ということで。
そんな小さいことでも、自分達で考えて決めるという経験を積み重ねていってほしいな、と思います。





2016年5月23日月曜日

49. 子どもが生き物をつぶすのはなぜだろう

今日は赤ちゃんも含めて6人の子どもが集まりました。



虫こぶを発見



筍が欲しいユイナちゃんの希望で裏の栗林へ。
この時期はみんなに人気の筍ですが、地元の人達が放っておくはずもなく、あるのは筍を採った後の穴ばかり。
やっと見つけた1本も、節だらけのあまり美味しそうではないもの。でも子どもはニョキと生えてるだけでワクワクして採りたくなるようで、3歳のソウタ君はお母さんと一緒に頑張って抜いていました。





久しぶりにみんなで林間ブランコへ行きましたが、ユカリちゃんが真っ先に走って座り、他の子が乗りたいと口々に叫んでも変わる気配がなく、少ししてから
「隣空いてるよー!」
と、2人乗りすることで譲ったつもりのよう。
普段は一番年長ということもあり、お姉ちゃん役に徹するユカリちゃんですが、この日はどうしてもブランコに乗っていたかったようで、頑として譲りませんでした。
























竹林の下り道で足を滑らせて転んでしまったソウタ君。大きな声で泣いていると、先に下りていた3人娘が
「どうしたの~?」
と上ってきました。かといって手をかすわけではなく・・・。それでもみんなが来てくれたことで泣き止み、結局ソウタ君はお尻でズリズリと滑りおりていきましたが、今度は上ってきたツグミちゃんが手に握っていたヘビイチゴを握りつぶしてしまい大泣き。
特別大きいヘビイチゴだったので悲しかったのでしょう。また栗林まで上って採ってきました。







アリも蚊も身動きできなくなるほど嫌いなユカリちゃんですが、なぜかミミズを触るのは好きで、地面を這っていたイトミミズをつまみあげると、シゲシゲと観察した後、あろうことか指先ですり潰してしまいました。

子どもはよく生き物をわざと足で踏んだりしますが、なぜそういうことをするのか大人には理解ができませんし、「ちょっと待った~!」と言いたくなります。
かといって言葉で
「生き物を殺しちゃダメでしょ」
と言ったところで、大人が蚊や蝿、ゴキブリを叩いて殺しているのを子どもはしっかり見ているので、そういう言葉は子どもの心には届きません。
その生き物への愛着が無いから殺すのでしょうか。
踏んだら、潰したらどうなるんだろう、という純粋な好奇心による行動でしょうか。
はたまた、”死”というものが分らないからでしょうか。

以前、我が家でニワトリを4羽飼っていました。森のようちえんの子ども達もとても可愛がってくれていましたが、少し前に動物に食べられたか何かで4羽とも姿を消してしまいました。
ニワトリがいなくなったことに気づいた子ども達は、それから毎回来る度に
「ねぇ、ニワトリさんは?」
と聞いてきます。
その度に
「たぶんね、イタチかタヌキかイノシシか、この山に住んでる動物が食べちゃったんだろうね。死んじゃったの。みんなもニワトリのお肉食べるよね?から揚げとか南蛮とかさ。他の動物も一緒なんじゃないかな。」
と話しますが、分ったような分らないような・・・と言った表情で悲しそうにうなだれます。
そして生き物が大好きなユイナちゃんは、から揚げを食べる度に
「ニワトリさん死んじゃったんだよね」
と話しているそうです。
ちょっと話を飛躍させすぎたかな・・・と、反省しないでもないですが、毎日口にしている食べものは、野菜でもお肉でも魚でも命あるものだということを感じてもらいたいという思いがあります。
死は悲しいけれど、悲しいだけではない。他の命の糧になるということ。
今回のニワトリ事件は我が家にとっても悲しい出来事ではありましたが、生き物が大好きな子ども達は、これからきっと様々な死と直面することでしょう。その体験を重ねて生と死を身体の中に沁みこませていってほしいと思います。