2016年1月14日木曜日

32. 泣き声と叫び声がこだました日


霧島おろしがビュービュー、日なたはポカポカ。
今日は5組7人の子ども達が集まりました。なんと、珍しく女の子が3人も!
どんな遊びをするのかなぁ~。そもそも外で遊ぶかな?
と興味津々でしたが、みんなそれぞれに逞しくて、そして2歳なのにというべきか2歳だからというべきか、その主張の強さと心の強さに感服でした。

今日が初参加の2歳のユイナちゃん、最初の山道のぼりに四苦八苦。何度も足を滑らせ「できない~!」と叫びながらも友達やお母さんの助けをかりて上りきり、今度は女の子3人で滑り台♪

同じく2歳のツグミちゃんは、前回に引き続き笹の葉集めに夢中でした。両手に笹の葉を持って山道を上るも、滑るし手はつけないしで困り顔。
出てきた言葉は
「お母さ~ん!」
でもお母さんは3ヶ月の弟ヒヅキ君とおうちの中にいて近くにはいません。
ツグミちゃんもわかってはいるけど、やっぱり
「お母さ~ん!」
隣にいる私に気づいていないのか、はたまたまだ私を信頼していないのか、私に助けを求めることはせずに「お母さ~ん!」と叫びながらも這うようにして山道を上っていき、上ったと思ったらお気に入りの笹の葉滑りでまた元来た道を滑って行きました。そして「お母さ~ん!」と叫びながらお母さんのいるおうちへ入り、いることを確認するとフフッと笑い、安心したようにまた一人で遊び始めました。
お母さんが近くにいなくても、足が滑ってピンチの時も決して泣くことはなく、とても強い子だなぁと感心しました。



このところ定番になってきている裏の栗林。日は当たらない上に風がよく通るから寒いけど、なぜかみんなここに来ちゃう。
サクサク落ち葉が楽しいから?登れそうな木があるから?


私が崖の上から写真を撮っていると、4歳のミヤマ君が
「俺も行くー!どっから上るのー?」
と道を探してウロウロ。そのうちに3歳のユカリちゃんが先に崖に取り付いて2歩3歩上り始めましたが、後を追ってきたミヤマ君とユイナちゃんの視線をプレッシャーに感じたのか引き下がり、代わりにミヤマ君が上りはじめました。でもあと一歩のところでズルズルズル~と足を滑らせふりだしに。お次はユイナちゃん。ユイナちゃんはどうやって上ったらいいか分らず、すぐに
「できない~!」
と叫んで大泣き。
しばらく泣き続け、お母さんになだめられて別の道を探すことに。


その間にミヤマ君が別の道から登頂成功!
それを見たユカリちゃんが同じ道を上っていき、あと一歩というところで下で上りたがっているユイナちゃんに道を譲るために下へ下りてきました。
今度こそユイナちゃん、上れるか!?



みんなが注目する中、お母さんに助けてもらいながら、「できない~!」と泣きべそをかきながらも一歩ずつ上っていきました。そしてついに上りきり、私が「やったね~!」と声をかけると、キョトン。
あれ?あまり嬉しそうじゃない・・・。
そして周りを見渡して、
「この木高~い!」
と杉の木をシゲシゲと眺めると、更に上を目指してまた崖に取り付いた!
(え!?まだ行くの!?)
と、きっとその場にいたみんなが思ったことでしょう。
「ここに鹿のウンチがあるよー」
と気を引いてみるけど、もう視線は崖の上。よし、付き合うか。
と思ったその時、ユイナちゃんが足を動かしたはずみで目の前に杉の葉がヌッと現れ、それを生き物か何かと思ったのか
「!!!・・・イヤァーーー!!」
と泣き叫んでパニックに!
足場が不安定だし、取り乱してるし、とにかく落ち着かせようと声をかけたけど
「お母さんがいい!」
と振り払われ、下にいたお母さんにバトンタッチ。
お母さんになだめられて少し落ち着いたユイナちゃん、まだ嗚咽した状態で崖のぼりを再開しようと上り始めましたが、やっぱり上れず
「できない~!できない~!」
とひたすら叫んでまたパニック状態になってしまいました。
一度気分転換させるために抱えて下に下ろして、先にお弁当を広げていたみんなの輪に合流。
「上れたね~」
「高い所まで行けたね!」
とみんなに声をかけられ、嗚咽しながら、時々また泣き出しながらもお弁当を頬張っていました。

「好奇心旺盛で人がやっていることは何でもやってみたくなって、できなくなるとその度に大泣きするんです」とお母さん。
私はユイナちゃんの大泣きする姿を見て、フラストレーションが溜まってるのかな?とか、あれもやりたい、これもやりたい!と駄々をこねてるのかな?などと思っていましたが、ただただ、できない自分が悔しくて泣いていたんですね。
経験が浅く、知識の乏しい私のこと、決め付けをしないように一人一人と向き合わなくちゃ・・・と強く感じました。



シカのウンチ



ツグミちゃんとお母さんもやってきた
手にはやっぱり笹の葉


泣きながらのお弁当






お弁当を食べながら、みんな口々に
「寒い~」
前回はここでそそくさと中に入ってしまったけど、今日は「寒い~!」と言いながら丸太で一本橋をしたり、大きなミミズを見つけてツンツンしたり、ブルブル震えながら遊んでいました。
そして、ここでもユイナちゃんの主張の強さが。

クウヤ君が持っていた長くて枝がいっぱい付いた木が羨ましくてしょうがないユイナちゃん。
「ユイナもあれが欲しい!」
と泣き叫ぶ。クウヤ君は戸惑いながらも一生懸命考えてから、
「半分あげよか?」
キョトンとしてるユイナちゃんの前でクウヤ君が木を折り始めた。
(お母さん達はその後の展開が予測できているので、早くも笑いをこらえ始める)


パキッ!と折れたのは15cm程の木の先っぽ。クウヤ君がそれを
「はい」
と差し出したけど、ユイナちゃんは間髪入れず
「ちっちゃ!」
とツッコミ。そりゃそうだ、長くて枝がいっぱいついたのが欲しかったんだから。
でもクウヤ君はそれが分らなかったのか、ただ自分の木をあげたくなかったのか、今度は足元に落ちていた太~い枝を差し出して
「はい」
漫才のようだけど、いたってマジメな2人のやり取りにお母さん達はお腹を抱えて笑わせてもらいました。
それにしても、以前は自分のものは絶対に渡さなかったクウヤ君が、半分だけでも友達にあげるという発想をしたことに私は感激しました。
少しずつ子ども同士の関わりが増えてきて、変化が見えてきたことがとても嬉しく、面白く感じています。





アオ君が持ってきた、買い物袋で作った凧が大人気!ひたすら走っていました。


たっくさん遊んだ後は、クウヤ君のお父さんが手作りした玄米ポン菓子でおやつ☆
平和なようで実は熾烈な争いのおやつタイム。羽釜に入れたポン菓子はあっちからもこっちからも手が伸びて、あっというまになくりました。


おやつを食べた後も、山道を上って滑って転がっておおはしゃぎ!









4歳のアオ君とミヤマ君が竹の棒でチャンバラ?を始めると、下の子達も右倣えで竹を持ち、畑にブスブス、道路をコンコン。
みんな竹が気に入ったみたいだから、今度竹馬を作ってみようかな。


割り干し大根オーナメントの下でヒヅキ君が日向ぼっこ。


ツグミちゃんはお母さんと枯葉にお絵描き。ユイナちゃんは林間ブランコ。
楽しくて面白くて、まさに時間を忘れて遊んでいたら、気づけばもう15時。
ユイナちゃんは
「帰らない~!」
とやっぱり最後も大泣きしていました。
泣いてばかりの印象が強かったけど、楽しめたかなぁ・・・と思っていたら、
帰りの車の中で
「また行こうね!」
と何度も何度も言っていたとお母さんから連絡があり、とても嬉しかったです。
笑顔だから楽しんでる、泣いてるから楽しくない、と単純には判断できませんね。

楽しいからまた来たい。
できなくて悔しいからまた来たい。
今度はあっちの道に行ってみたいからまた来たい。
子ども達がそう思ってくれるよう、やりたいことがとことんできる場を目指して、日々精進です!

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